| 2026年1月18日(日)鑑賞 イオンシネマ岡崎(スクリーン9 H-8) |
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2026年1月9日(金)公開[PG12] / 上映時間:125分 / 製作:2025年(日本) /
配給:ポニーキャニオン
【監督】 森ガキ侑大
【キャスト】
羽猫山吹:高杉真宙 / 佐藤頼:伊藤万理華 / 遠山かな子:深川麻衣 / 羽猫雪乃:安藤裕子
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羽猫紅:向里祐香 / 緒方樹:ヒコロヒー / 遠山以知子:鈴木砂羽 / 鮎子:松岡伊都美
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メグ:森田想 / 練司:高尾悠希 / 森脇:後藤剛範 / 伊藤:長友郁真 / ドライブイン店長:はなわ
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羽猫山吹(幼少期):立花利仁 / 羽猫山吹(少年期):堀口壱吹 / 羽猫紅(少女期):藤中璃子
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羽猫淳吾:安田顕 / 羽猫澄江:余貴美子 / 羽猫正吾:柄本明 |
【あらすじ】
羽猫(はねこ)家の長男・山吹(やまぶき)は、弟の事故死をきっかけに心を閉ざし、空想の世界で生きるようになった母のため、まるで弟が生きているかのような嘘の手紙を書き続けていた。父は変わってしまった妻を受け入れられず愛人のもとへ逃げ、祖父は裏山に遊園地を作ろうという現実離れした夢を語り、祖母は骨董屋で「嘘」を扱いながら暮らしている。唯一まともに見える姉の紅(べに)は、「嘘と嘘つきが嫌い」と言ってすべてに反抗している。それぞれが不都合な真実から目をそらしている羽猫家の人々だったが、ときに「家族をやめたい」と思いながらも、互いに寄り添って生きていた。やがて大人になった山吹は、過去と向き合うためにある決断を下すことに・・・ |
【感想】
この映画は観たいと思っていながら、平日は公開1週間で日に1度の上映となって、行くタイミングを見計らっていたのですが、長女が映画館のあるショッピングモールに連れて行ってほしいと誘いがあったので、そのタイミングで私はこの映画を観ることにしました。日曜日なので人が多いのを危惧していましたが、観客は8名ほどでゆったりと鑑賞することができました。
あらすじを読んだり、フライヤーの「この家族はみんな嘘つきだ」という文字を目にしたりすると、ドロドロとした嘘で固められた醜い家族の話かと思いましたが、そうではなくて、傷ついた家族が壊れないようにするための切なく愛おしい嘘の話だと分かりました。物語は、1988年から1993年、1998年、2003年、2008年と5年ごとに淡々と進みます。見方によっては退屈で何を描いているのかと思ってしまいますが、その静かな流れがのちのそれぞれの苦悩や贖罪や償いなどの感情がわかった時の感動につながりました。それほど、幼い家族を事故で失った悲しみや後悔が家族の中にあふれていたのだと思います。後ろ向きになる母親、現実から逃れようとする父親、前向きに自分の道を生きようとする姉、自分を責め続ける弟、それぞれ自分勝手にも見えますが、その行動には思いやりや優しさを感じられるので、自分だったらどの形になってしまうかということも考えてしまいました。
物語が進むと、一番苦しんで自分を責めていたのは山吹(高杉真宙)だったのかと思えます。山吹が姉の紅(向里祐香)を訪ねて、母に死んだ弟の名前で手紙を出し続けていた理由を話しシーンは、山吹の心情につられてこちらも涙が流れてきました。また、祖母の葬儀のバスの中で、子どもができないことに対して切ない感情を吐き出す妻・頼(伊藤万理華)に対して山吹が妻にかける言葉にも心を打たれました。山吹は、普段は感情を抑え込んでいますが、内面は芯が強く相手を思いやれる本当に優しい人物なのだなということが伝わってきます。そういう山吹の人間性をみて、「物語を書いたら」とアドバイスする妻も素敵でした。結局、みんな優しいのです。
「架空の犬と嘘つく猫」というタイトルは、山吹の描いた絵本のタイトルですが、苦しくて悲しい時には心の中で飼っていた犬に話しかけていたということと、母親のために嘘の手紙を送りつ付けていた自分を客観的にとらえたものだと、観終わるとすっと腹に落ちます。
最近、観る映画が軽いものが多くて心を打たれることが少なかったのですが、久しぶりに良い映画を観たという満足感を感じました。 |
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。
また、ネタバレの記述もありますので、ご注意ください。 |
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